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四国遍路のあゆみ(平成12年度)

(1)遍路の実態とその心情③

 (ウ)職業別遍路数

 図表2-2-28によると、会社員と無職が22%と最も多く、自営業と主婦がそれぞれ13%、12%と続いている。また、調査期間が8、9、10月であったためか、比率は5%と低いが、学生が夏休みを利用して巡拝している様子がうかがえる。
 「早大道研」の調査では、無職が35%、主婦が19%、会社員が17%、自営業が13%となっており(⑦)、仕事を退いた人の割合が高くなっている。

 (エ)巡拝の形態・方法

 図表2-2-29によると、一人で巡拝している遍路が26%であるのに対して、グループによる遍路が20%と意外に少ない。これに対して、夫婦・家族での遍路が約半数近くを占めている。
 また巡拝の方法は、徒歩中心が19%であるのに対して、乗り物中心が75%を占めている。「早大道研」の調査では、徒歩中心が24%に対して、乗物中心が75%となっており(⑧)、ほぼ同じ傾向になっている。

 (オ)徒歩遍路の理由

 図表2-2-30によると、「徒歩が本来の遍路」と考えている人が過半数を超える52%になっており「仕事や時間に余裕がある」人も25%に達しているのが注目される。仕事が一段落し、時間や経済的に余裕のできた人が、徒歩遍路を通して自分探しや先祖供養の旅に出ている様子がうかがえる(後述「遍路に出た理由」参照)。

 (力)乗物遍路の理由と乗物の種類

 図表2-2-31によると、車で四国霊場を巡拝する主な理由に、「時間的余裕がない」が44%、「車の方が楽で安全」が20%、「健康に自信がない」が10%と続いている。
 また、図表2-2-32によると、乗物の種類は、「自家用車」が59%と大変多く、「団体バス」は9%と意外に少ない。団体バスの割合が低いのは、札所でアンケートに回答する暇がないのではないかと推測される。また、5%の若者を中心にした遍路がバイクや自転車を利用している。
 3年前(1997年)の「早大道研」の調査では、団体バスが45%と最も多かったが(⑨)、最近は自家用車やマイクロバスなど、個人あるいは小集団による遍路行が増えている傾向がうかがえる。

図表2-2-28 職業別遍路数

図表2-2-28 職業別遍路数


図表2-2-29 巡拝の形態・方法

図表2-2-29 巡拝の形態・方法


図表2-2-30 徒歩遍路の理由

図表2-2-30 徒歩遍路の理由


図表2-2-31 乗物遍路の理由

図表2-2-31 乗物遍路の理由


図表2-2-32 乗物の種類

図表2-2-32 乗物の種類