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伊予の遍路道(平成13年度)

2 延命寺から南光坊へ

 延命寺の仁王門をくぐると二の門の左側に徳右衛門道標㉕がある。二の門を入ると大杉の右側に、真念道標㉖がある。その左に凝然国師供養塔や県(あがた)村庄屋越智孫兵衛の供養塔、道標㉗の右には、21度四国遍路をした自覚法師の供養碑などが建てられている。これらは平成4年に整備されたもので、真念道標は大杉の根元の植え込みの中、道標㉒も境内植え込みの中に倒れていたものを立て直したものという<34>。ただ『乃万村郷土誌』には、真念道標㉖については、(高三尺 幅四寸 花岡岩 阿方延命寺門前ニアリ。四百半前ノモノナリト<35>」と記されている。
 延命寺から南光坊への遍路道は二通りある。一つは延命寺裏山の墓地を抜け、阿方(あがた)集落を経て大谷墓園墓地を越え、山方町の茶堂に出る大谷越えの道である。もう一つは山路経由の県道今治波方港線(38号)を進む道である。現在では県道の利用者の方が多く、大谷越えをする遍路は少ないようだが、大谷越えの方が古くからの遍路道である。2本の道は茶堂橋の所で合流して今治市街地に入る。