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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業19ー大洲市①―(令和2年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第3章 長浜地域の産業と人々のくらし

 長浜(ながはま)地域の農業は、気象条件の異なる内陸部、山間部、臨海部では作目の栽培構成が異なる。臨海部では温暖な気候を生かし、温州(うんしゅう)ミカン(以下「ミカン」と記す。)等の柑橘(かんきつ)類を主とした果樹栽培が行われてきたが、長年にわたる柑橘類の価格低迷により、柑橘類を主体としながらもキウイフルーツやキュウリ等との複合経営が行われるようになった。また、木蝋(もくろう)は喜多郡内で蚕糸業と並ぶ主要産業として盛況を誇った。晒(さらし)蝋は質量ともに国内でも高い評価を受けて繁栄したといわれるが、大正時代末期までに衰退した。
 本章では、長浜地域で農業や製蝋業に従事した人々の、地域の産業とともにあったくらしや思いについて、その一端を明らかにした。