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えひめ、その食とくらし(平成15年度)

はじめに

 この報告書は、平成15年度のえひめ地域学調査研究活動の成果をとりまとめたものです。
 愛媛県生涯学習センターでは平成3年のオープン以来、「愛媛学」の研究に取り組むとともに、生活者の視点に立って、だれでも気軽に取り組める身近な地域学として、その普及を図ってきました。
 平成12年度からは、四国で生まれ長い歴史の中で培われてきた遍路文化が、世界的な文化遺産であることに着目し、遍路文化の学術整理とその成果の県内外への発信につとめてきました。
 本年度からは、これまでの研究成果を踏まえ、ふるさと愛媛をよく知り愛することを基本テーマとして、人々のくらしや文化、産業など様々な角度から、「えひめ地域学」の研究を行うこととなりました。その手始めとして、ふるさと愛媛の基層文化に着目し、3か年計画で、広く県下全域を視野に入れることとし、初年度は、「食とくらし」に焦点を当てて調査を実施しました。
 今回調査テーマとなった「食とくらし」は、人々の生活の基層文化であると同時に、時代の変遷の波を最も受けやすいものであります。ふるさと愛媛にあって、日々生きてこられた方々の生活体験に学ぶことにより、これからの愛媛の進むべき方向を探ろうとしました。
 本県におきましては、「共に創ろう 誇れる愛媛」を基本理念とする第五次愛媛県長期計画を受けて、「学び、伝え、共に創る生涯学習社会」を基本目標に掲げており、その重要施策の一つとして、「地域学の推進」に取り組んでおります。県民の皆様一人ひとりが、あらためてふるさと愛媛に目を向けられ、地域文化をはぐくむ生涯学習風土を作り上げていっていただけるよう、現地調査に重点をおいて、地域学の調査方法の確立にも努めました。
 調査は、対象地域を幅広く、また、学際的に取り上げましたので、統一性や掘り下げが不十分な点もあるかと思いますが、それぞれの地域のすばらしさとそこで培われてきた基層文化の重みを感じていただき、さまざまな場で本書を御活用いただければ幸いです。
 終わりになりましたが、市町村教育委員会をはじめ今回の調査に御協力いただいた皆様方に改めて厚くお礼を申し上げます。

 平成16年3月
                                        愛媛県生涯学習センター  
                                        所長 日 野 孝 雄