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えひめ、子どもたちの生活誌(平成18年度)

第3節 まちの子どもたち

 「まち」は、主に商業や工業を生業とする人々が集住して形成された所であり、周辺の農村地域に比べ人口や各種建造物が多く、自然的景観や空間的なゆとりは少ない。したがって、まちの子どもたちは、建物や路地、公園などの人工的空間が主な生活の場となっている。「まち」の子どもたちは戦争やその後の復興、高度経済成長の時代を肌で感じ生きてきた。戦後豊かになっていく過程で、「まち」には駄菓子屋、玩具(がんぐ)店、映画館などが次々と立地し、テレビなどの電化製品がいち早く普及する。学習塾をはじめ、習い事をする機会が多かったのも「まち」の特色である。
 本節では調査地域として、新居浜(にいはま)、今治(いまばり)、松山(まつやま)、八幡浜(やわたはま)の4市を取り上げ、戦中・戦後から高度経済成長にかけて、「まち」で子ども時代を過ごした人々から当時の生活について聞き取り、子どもたちがいかに遊び、学び、そして地域の中で育っていったかを探った。