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宇和海と生活文化(平成4年度)

第2節 海を通した文化交流

 この節では、宇和海沿岸地域の文化を考えるうえで抜かすことの出来ない、阪神・九州方面との文化交流の跡をたどってみようとするものである。文献と聞き取り調査を通じて、明治時代を中心とした歴史的側面、及び昭和に入ってから現在までの状況の両面を対象とする。すでに各市町村において優れた研究もあり、その成果をそのまま利用させていただいた箇所も多いが、ここでは特に各市町村の枠を越えた宇和海沿岸各地の共通性をとらえることを、一つの目的とする。
 1においては、明治時代初期において商業面で県内随一の港・都市としての繁栄を誇った八幡浜・川之石について、それを支えた人々の活動及びその社会的背景を考察する。2においては、昭和に入ってから海を挟んだ九州東岸各地に進出した県人の活動をたどることで、現在提唱されている「西瀬戸経済圏」につながる、両地域の結びつきを考えたい。