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宇和海と生活文化(平成4年度)

第2節 伝統技術を担う人々のくらし

 この節は、1章・2章の農漁業・商業等の枠組に入らない、職人的な職業分野の人々の生活と技術について述べたものである。他の章に対し、伝統産業を支える「人」に焦点を当てることで宇和海の生活文化を新しい視点からとらえなおすことを、目的とする。宇和海沿岸には多くの特色のある伝統技術が存在するが、ここではその中で、県内有数の水産業都市八幡浜を彩る大漁旗を作り続ける染め物職人、全国的にも著名な宇和海の段々畑を造りあげてきた石垣職人、県内では宮窪(越智郡)以外では唯一の伊方の杜氏職人集団をとりあげる。なおこのような伝統技術の調査については、技術面の詳細な記録が不可欠であるが、十分な力量と紙面の余裕がなく、また本書の目的のうえからもそれを避け、職人としての生活と地域社会との関わりに焦点を絞った記述とした。