データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

2 三島村上水軍と西瀬戸大橋について~今治は水軍を生かせられるのか?~

 平成10年には、西瀬戸大橋が開通するが、そのルートになる芸予諸島は、400年前、村上水軍が活躍した地域と一致している。
 因島水軍の根拠地、因島市では、すでに水軍城を建築し観光客の誘致に力を入れている。ふるさと創生資金1億円も、すべて水軍関係に投入し、毎年水軍祭りを実施している。
 能島水軍の里、宮窪町では、村上水軍ゆかりのある5町が力を合わせて、日本一の水軍レースを展開している。
 「来島水軍の里、今治市は、先祖たちが残してくれた大きな遺産、水軍の歴史、文化に興味がないのですか、また、必要はないのですか。」
 私たちは、来島水軍という言葉をあまり耳にしないので、同じ水軍の末裔(まつえい)として心配している。造船の町今治にとって、水軍の歴史・文化を、今後どのような形で生かすかということは、非常に重要なことだと思う。
 10月2日、大分県玖珠町から183名の方が宮窪町へ来て、400年ぶりに水軍交流会を行った。大分県玖珠町といえば、来島康親公(よしちか)が慶長6年に移封された来島水軍ゆかりの地で、今治市と関係の深い所である。本来は今治地区の皆さんと交流会を持たれるつもりだったらしいが、水軍にこだわって町おこしをしている宮窪町の「水軍ふるさと会」と交流会を行うことになった。
 今や、水軍ブームは全国的なものになろうとしている。全国、水軍サミットも、近い将来、必ず開催されると思う。
 西瀬戸大橋開通まで、あと4年ちょっとしかない。「今治の皆さん、中世の歴史・文化を満載した水軍船に乗り遅れないよう、お願いいたします。」
 (*ビデオによる水軍レースの模様の紹介)
 ここで会場の皆様方に、水軍レースを映像で紹介させていただきたい。今年、テレビ愛媛が水軍レースの模様を、1時間番組として放映したもの(10分間に短縮)。