データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

2 人骨が出てきたときの興奮

 最初からごろごろ土器が出てきたが、素人の私には、ややその意義をつかめないところもあり、正直な気持ちとしては人骨でも出てくればという期待があった。それで、完全な人骨が出てきたときには大変興奮した。頭骨が出てきた時に、専門家の方が必死で掘り出していたが、興奮のあまり体にあたる部分の土を踏みつけたままであったくらいなので、素人の我々の気持ちはそれ以上のものがあった。あのような現場に立ち会えるのは、常に調査をしていてもめったにないということなので、その意味でも私は幸運であった。
 骨の各部分は太いのに、全体としては大変小柄であったのが印象的であった。また、一片の人骨から、その生きた年代や年齢・性別まで分かってしまうことに、割り切れない、信じられない思いがあった。放射性同位元素の測定によるということであったが、驚異的なものであった。