データベース『えひめの記憶』
わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成7年度 愛媛学セミナー集録~
◇一人相撲をやるきっかけ
大内
大三島中学校生徒会長、大内一仁です。力士をやっています。
多和
副会長の多和勇貴です。行司をやっています。まずビデオを見てください。これは今年の「お田植祭」の時に行った一人相撲です。
(ビデオ)
大内
まず一人相撲をやることになったきっかけは、平成3年度より、大三島中学校の生徒会役員が、伝承文化発表会で一人相撲をしたことです。僕は生徒会に入る前は、絶対に一人相撲などやるもんかと思っていました。けれど、生徒会に入った時には、宿命だと思い直し、もうやるしかないと思いました。でもやっぱり、僕は、自分のお尻をたくさんの人に見せるというのは、どうしても嫌でした。しかし先輩たちが、一人相撲を取っているのをビデオで見たら、案外格好良く、僕もこの人たち以上に、相撲を取ってやろうという気持ちになりました。
多和
僕も一人相撲がなければ、すんなりと生徒会役員に立候補したのですが、やはり一人相撲をするということで、とまどいがありました。しかし訳がわからないまま、気がつくと生徒会副会長になっていて、一人相撲の行司までやっていました。本当にあっという間でした。
大内
僕が初めて一人相撲をやった時、自分にできるのかと、ずっと不安に思っていました。そしてなかなか進んで取り組めませんでした。しかしやってみないと始まらないと思い、先輩たちの指導のもと、練習に取り組みました。僕たちは、一人相撲を見た覚えはありません。ですから、昔のセピア色に褪(あ)せた音のないビデオを見たり、過去の先輩たちの演技を見たりしました。
しかしなんと言っても、昔、行司をやっていた藤原百千(ももち)さんに指導してもらったのが、一番印象深かったです。やるごとに、言うことが違うのです。これはあとになって、一人相撲はアドリブだということがわかりました。また、まわしのつけ方も教えていただいたり、とてもよい勉強になりました。