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わがふるさとと愛媛学Ⅳ ~平成8年度 愛媛学セミナー集録~

◇愛媛学の趣旨

正岡
 皆さん、こんにちは。御紹介いただきました正岡です。ただいまから、「愛媛学セミナー 道と歩む文化の里・小松」を開催させていただきます。
 今日は、こんなにたくさんお集まりいただきましたけれども、自主的に参加をしてみようと思われた方、あるいは仲間からお誘いを受けた方、いろいろだろうと思います。この愛媛学セミナー、何か聞き慣れないような名前でありますし、また「学」とつきますと、何か取っ付きにくく、非常に難しいというふうな印象もお受けになるんじゃないかと思います。この愛媛学にかかわります「学」というのは、確かにそういう側面があります。佐藤先生にされても、本日発表の皆さんにされても、それぞれの立場で、その専門につきましては、努力の積み重ねを経て、今日に至っているわけですけれども、今日はことさらそういう面を強調しようという会ではありません。皆さんお持ちのパンフレットに、愛媛学の「学」という字に、音楽の「楽」、楽しみという字があったのではないかと思います。今日は、学ぶことの楽しさを、私たちも、そしてまた皆さんも一緒に共有をしていこうという試みです。
 そうは申しましても、中身はまじめにやっていくつもりですので、どうか一つ、肩の力を抜いていただいて、一緒に楽しんでいただきたい、こんな感じでスタートをさせてもらいたいと思います。
 今日のセミナーは、大きく言いまして、二つの内容で企画をされています。前半は、佐藤先生と私の対談ということですが、内容はむしろ、佐藤先生を中心にお話を進めていきたいと、考えております。佐藤先生は、土木工学の日本の最高権威のお一人でいらっしゃるわけですが、そういう専門性というようなことを、みじんも表面に出されずに、博識であられて、歴史や文化、そして何よりも人に対する愛情が、お話やお書きになったものの端々にも出ている方です。こういう先生を、小松にお招きをして、お話が進められるということは、本当に会場の皆さんと一緒に喜びたいと思います。
 それから、休みをはさみまして、後半には、いよいよ小松で実際に生活をしていらっしゃる皆さんのお仲間に、日ごろ実践をしておられること、あるいはこつこつと努力を重ねてこられたことを、話し合っていただきたいと思います。そして、わが町、わがふるさと小松のことを、しっかりと認識し、そのことによって、愛媛も四国も、さらには世界のことも認識していこうと思います。では早速、佐藤先生からお話を承りたいと思います。先生、よろしくお願いします。