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わがふるさとと愛媛学Ⅳ ~平成8年度 愛媛学セミナー集録~

◇道との出会い

佐藤
 私がどうして、道歩きに興味を持つようになったのかと言いますと、その一つの理由は、歩く人のための道を、自分の目で点検してみたいということもあるわけなのです。そこで、歩くことによりまして、いろんな道と出会うわけですが、私の今まで少し歩いて来た道の紹介もしたいと思います。そのうちの幾つかは、あとでスライドでも御紹介します。
 私は高松勤務1年半の間に、四国88か所を巡り、高野山にも行きまして、結願いたしました。高知県と愛媛県の中は、仕事で来た時に、四国88か所の寺院の近くまで車で行って、そこから降りて歩くというようなこともしましたが、香川県と徳島県は土曜日、日曜日を使い、JRで行けるところまで行き、あとは歩いて回ったのです。それから1989年の夏には小豆島の88か所を、約150kmありますけれども、5日間で回りました。四国の88か所に勝るとも劣らない霊場が小豆島にありまして、素晴らしい風景と歴史を伝える巡礼の道が残されていることを知ったのです。四国の道は、山あり海あり、川あり池あり、歴史ありで、歩く道の環境には非常に恵まれているのではないかと思います。
 それからもう一つ、私はせっかく歴史の道を歩くのなら、江戸時代の街道を歩いてやろうということで、東京の日本橋から京都の三条大橋までの東海道を、約500kmありますけれども、区間を分けて、土曜日、日曜日とか祭日を使い、20日間かけて歩きました。1日平均25km、一番歩いた日は40km、足にまめができましたけれども歩きました。それが終わってからは、今度は東京の日本橋から北へ向かい、高崎、軽井沢を通る中山道を、やはりこれも約500kmありますけれども、歩きました。これは23日かかりました。
 今は、やはり江戸五街道の一つであります甲州街道を諏訪湖へ向かって、半分くらい歩いています。