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わがふるさとと愛媛学Ⅳ ~平成8年度 愛媛学セミナー集録~

◇開明学校、中町の評価

 このように、たくさんの人々の心のよりどころであったともいうべき開明学校は、現在は教育資料館として活用されています。全国一の掛け図、教科書、学校日誌など、明治初期の大変貴重な資料がたくさん収蔵展示されております。
 私は、そこで管理、受付、説明、資料の整理などをやらせていただいておりますが、時々、日本でも指折りの有名な先生か研究に来られることがあります。その時に、どの先生も資料を御覧になって、口をそろえておっしゃることは、「これは、堀内さん、素晴らしい資料ですね。この資料は宇和町だけのものではありませんよ。これは日本の歴史の宝です。どうぞ大事にしてください。」ということです。それほど貴重な資料が残されているのです。
 昨年(1995年)の2月、私は開明学校の教育資料の中に、1903年(明治36年)の開明学校の平面図を発見しました。現存する校舎の文化財的価値を裏付けるものの一つだと思います。建造物としては、他にも立派な所はたくさんあると思います。でも、中央を遠く離れたこの宇和の田舎町で、少しでも文明開化に近づこうと努力した、和洋折衷の宇和町ならではの、大変価値ある校舎だと、私は思っています。何よりも、この校舎には、たくさんの人々の思い入れと思い出がびっしりと詰まっていると思うのです。