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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇伊曽乃神社の秋祭り

 私が関係しております伊曽乃神社のお祭りは、俗に秋の例大祭といい、現在は10月15、16日の2日間行います。祭りの発祥については定かではありませんが、渡御(とぎょ)行列、だんじり等が登場したのは、宝暦11年(1761年)であるといわれています。現在の祭りの運行は、氏子地区を五つに分けて、その五つの氏子地区の氏子総代の中で、年番性で年番常務総代を一人決め、その年番常務総代が大祭委員長となって取り仕切るのです。
 御神輿の御巡行は、伊曽乃大神様が、地区地区へ行って、氏子の皆さんの健康と繁栄を身近に御覧になり御神徳をお授けになる一年に一度の大切な祭事で、よくお神楽をあげると言いますが、神幸祭(しんこうさい)といいます。具体的には、15日は午前6時に煙火(えんか)の合図による御神輿の出御「宮出し」から始まって、午後6時に常心原お旅所に御駐泊するまでの間に20か所の神楽所で次々とお神楽をあげていくのです。16日は午前5時にお旅所でお神楽をあげたのち、15か所の神楽所で次々とお神楽をあげて、午後6時に本宮に帰御「宮入り」するのです。この二日間の巡行距離は合計51km余りにもなります。
 御神輿は、何回かの修理が行われ現在に至っているのですが、最初につくられたのは、西条藩初代藩主松平頼純(よりずみ)公の在任の寛文10年(1670年)から正徳元年(1711年)ころではないかといわれております。その御神輿も、現在は台車に乗せて巡行するので楽になったのですが、昭和42年(1967年)までは2日間の全行程を、担いで巡行していましたので大変な苦労がありました。