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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇川上の面影

 あと少し、写真で、かつての川上の面影をしのんでみたいと思います。
 写真9は、現在の写真で、右側は鍵屋があった所で、左側は丁字屋があった所で、その横のマツの木のりっぱなのが見えている家は島屋という大きな旅館があった所です。
 写真10は、写真9と同じ所なのですが、茅葺(かやぶ)きの家が見えたりしておりまして、昔の面影があります。
 写真11は、米田屋の分署坂の所から、逆に西を向いて見た所でして、昔の街道の面影が残っているのではないかと思います。
 写真12は、写真11と同じ所を写したのですが、昭和の初めころのお山参りでにぎわっていた川内の宿場町の繁栄ぶりを示していると思います。町の中を流れている川には注連縄(しめなわ)が張られて、水ごりを取る人も数多くありました。
 写真13は、昭和30年代の斉院の木のようすで、現在の陸橋がかかっているあたりからとった写真です。ムクの木が左にありまして、だいぶん昔の街道の面影が残っているのではないかと思います。
 写真14は、川内町にありました名越座です。これは横から撮ったものなので、だだっ広いだけの何の変哲もない建物のようですが、建物の右上の屋根が出ている下に寄せ太鼓を叩くところがありまして、太鼓を叩いては、「今日は芝居があるぞ。今日は何々があるぞ。」というようなことを、人々に知らせていたのです。
 以上で説明を終わらせていただいたらと思います。