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えひめ、昭和の街かど-生活を支えたあの店、あの仕事-(平成21年度)

1 街かどの銭湯

 平成19年の統計(①)によると、愛媛県内に76軒の銭湯(公衆浴場)がある。昭和50年(1975年)は644軒であったから、この30年余りで8分の1以下に減少している(図表2-1-1参照)。
 そもそも各家庭に風呂がなかった時代には、どの町にも銭湯があった。銭湯は地域住民が1日の疲れを癒(いや)すとともに、住民同士の交流の場として地域になくてはならない施設であった。しかし各家庭に風呂が普及し始めると銭湯の客は減少し、廃業する銭湯が多くなった。現在愛媛県の20市町のうち、銭湯が残っているのは11市町で、松山や今治など都市部に多い。かつて公営住宅やアパート、下宿に風呂はなかったが、現在はほとんどが完備されており、松山など都市部でも銭湯の数は大きく減少している。
 八幡浜市で銭湯を営む**さん(昭和14年生まれ)に銭湯の仕事の移り変わり、地域とのかかわり等について話を聞いた。


図表2-1-1 愛媛県の公衆浴場数の推移

図表2-1-1 愛媛県の公衆浴場数の推移

『愛媛県統計年鑑(①)』から作成。