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河川流域の生活文化(平成6年度)

(2)地域の人々の気質・印象

 県民性調査等の気質に関する調査は、現在までに何度か実施されている(図表2-2-4の⑳~㉓参照)。それによると、「りこうで目先がきき、よく働いて仕事を楽しむが、多少計算高い。」(以下「りこう・計算高い」という)が最も割合が高い東予人気質、「温和で人情味に富み、物事に慎重であるが、消極的である」(以下「人情味・消極的」という)の割合が圧倒的に多い南予人気質という特徴が出ていた。中予では数値が分散するが、「人あたりが良く、気が良い人といわれ、物静かであるが少しちゃっかりしている。」(以下「物静か・ちゃっかり」という)の割合が、東予・南予より高いとされてきた。しかし、これまでの「山間」「宇和海」「瀬戸内」の調査では、「宇和海」以外は東予・中予を対象地域としているにもかかわらず、3地域とも「人情味・消極的」の南予人気質と一致する結果となった(図表中の⑰~⑲参照)。これは、3地域とも交通がやや不便で、共同体意識が強く、都市化が進んでないことによるのではないかと思われる。
 河川流域に居住する人々の自己評価は、全般的には中予と南予の中間に位置する。しかし、市町村別のグラフで見た場合、上記の東中南予の各地域間の特徴がはっきり出ている(図表中の①~⑮参照)。①~⑧の肱川流域は完全に南予型であり、⑨~⑫の西条・周桑地域は東予型の分布を、⑬~⑮の重信川流域は中予型の分布傾向をはっきり示す。一方では、南予型の中でも、長浜は「物静か・ちゃっかり」の割合が例外的に高いとか、小松は東予の4市町村の中でも「りこう、計算高い」の割合が非常に高い等の、特徴もうかがえる。

図表2-2-4 気質(人の印象)

図表2-2-4 気質(人の印象)

*なお⑳~㉓の数値は、「県民性に関する世論調査」(愛媛県、1989年発行)による。