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臨海都市圏の生活文化(平成7年度)

第3節 まちのくらしを彩る

 本節では都市化の波が急速に広がる近郊の田園地帯で、古くから受け継がれてきた豊かな自然を生業の場としながら、人々のくらしを支え彩るとともに、市街化に順応し、土と緑を通して、ふれあいを求める人々の姿に焦点を当ててみた。
 「1 海べりの畑から」では、松山平野の西、伊予灘に面する美しい砂丘地帯が、野菜の生産地としての機能を失いつつある姿に焦点を当て、その変貌の姿をしのびながら、砂丘とともに生きてきた農家のくらしと、そよ風のさやぐ田園地帯で葉菜作りに取り組んできた人々、さらに法皇(ほうおう)山系の急峻な山麓が燧灘(ひうちなだ)に迫る宇摩平野で、やまじ風とともに生き、特産の芋作りを、続けてきた人々のくらしに触れてみた。
 「2 田園のほとりで」では、限りなく広がる市街化の波が、田園地帯の農業の在り方や農家のくらしを変容させていく姿を、季節感の失われつつあるハウスイチゴと切り花作りの施設園芸に求めるとともに、故郷の自然を知り、土に親しみ、四季の作物を育てながら、ふれあいを求める人々の姿を追ってみた。
 「3 旬(しゅん)を飾る」では、旬がなくなりつつある野菜栽培に焦点を当てた。旬の味は忘れることのできない故郷の味でもある。ここでは古くから松山平野で栽培されてきた蚕豆(そらまめ)にかかわってみた。