山に囲まれた久万高原町では、人々は山とともに生き、川に抱かれてくらしてきた。本章ではふるさとの景観に焦点を当て、山や川と深くかかわりながら生きてきた人々のくらしを探ってみた。 第1節では、久万高原町直瀬地区をもとに、昭和初期の山村のくらしに焦点を当て、山村独自の生活文化を当時の写真から明らかにしようとし、第2節では、愛媛県を代表する景勝地、面河渓を取り上げ、面河渓が観光地として本格的に整備される昭和初期からの観光開発の様子を明らかにしようとした。