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愛媛の祭り(平成11年度)

第2節 瀬戸内新時代をむかえて

 人と人、人と地域の関係が疎遠になってきている時代では、祭りに人を引き付け、地域を活性化させようと、新しいタイプの祭りがいろいろな形で行われるようになってきた。そこで、本節では、その新しい取り組みを産業とのかかわりや、橋で結ばれた愛媛の新時代に向けて地域がどのように変わってきたかという視点から探りながら、これからの祭りの意義や方向性の一端を明らかにした。
 「1 ふるさとの新しい祭り」では、新春を呼ぶシラウオをテーマにグルメ祭りとして始まった北宇和郡津島(つしま)町のしらうお&産業まつり、花をテーマに山里の地域おこしを始めた東宇和(うわ)郡宇和町のれんげ祭り、新しい踊りを中心とした夏祭りの代表として松山市の松山まつりを取り上げ、祭りと地域づくりの新しい関係を探った。
 「2 産業と祭り」では、紙のまちへのイメージづくりに地場産業の紙つくりをテーマに始まった川之江(かわのえ)市の紙祭りを取り上げ、また、林業でまちづくりを考え、林業技術の普及推進や地域おこしを始めた上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町の久万町林業まつりと久万山御用木まつりを取り上げ、産業と祭りの新しい関係を探った。
 「3 しまなみ海道を彩る祭り」では、しまなみ海道開通による瀬戸内新時代をむかえて地方の祭りから市民祭りへと発展させ地域の活性化を目指す今治市のおんまく、中世に瀬戸内海を中心に活躍した水軍が残した豊富な文化遺産を使い島おこしに取り組む越智(おち)郡宮窪(みやくぼ)町の水軍レースと越智郡大三島(おおみしま)町の三島水軍鶴姫まつりを取り上げ、橋で結ばれた地域の新時代への取り組みと祭りとの関係を探った。