データベース『えひめの記憶』
伊予市誌
五、興徳山福田寺の美術工芸品
釈迦牟尼仏
この寺の本尊で、高さ一・八mあり、見事なものである。
盤珪禅師像
本尊の脇に、大洲如法寺の開山盤珪禅師像がある。盤珪禅師はまた福田寺第一祖の開山でもあった。
月窓公像
本尊の脇に、大洲藩第二代藩主加藤泰興(後に月窓と称した)の像がある。
観世音菩薩像
祠堂の本尊としてまつっている。慈覚大師の作といわれている。第262図に示すように槇江山の観音像もある。
襖絵
狩野永朴の筆になるもので、永朴は狩野永徳の門下であった。広間の幅広いふすま板に龍と虎を雄こんな筆致で描いた大作である(第263図と第264図参照)。
その他の書画
白隠禅師の書画をはじめ、兆殿司・狩野探幽の竹墨画・狩野常信の達磨像・盤珪禅師の書・加藤文麗の六曲屏風の絵・僧月僊の梅の絵・浮島翁の寒山拾得の絵など数多くの書面が保存されている。
茶室の天井画
これは灘町宮内小三郎家の別室の天井画に匹敵するもので、その画風がよく似ている。第266図に見られるとおり、雄こんな筆さばきの跡は、実に名状しがたいものがある。