日本最古の農書と言われる『親民鑑月集』〔松浦宗案著、土居水也補修、寛永五年(一六二八)〕によれば、「柑類の事」として、「柑子、九年母、柚子、だいだい、かぶす、花柚、実柚子、この外多といへども武家寺方にはありてよし。百姓家には不入もの也」とある。また「木類の事」に「くるみ、栗、柿、かや、とち、杏子、梅、楊梅、桃、李、枇杷、青梨、秋梨」の記事がある。いまから三五〇年以上前に、北宇和郡三間町で書かれた文献に載っているので、当時植栽されていたと推定される。